投稿日:2018.10.09

沖縄の資源を活かした『ウェルネスツーリズム』を学生が企画・発信!

 

琉球大学国際地域創造学部・大学院観光科学研究科の荒川雅志教授のゼミでは、『ウェルネスツーリズム』についての研究をしています。

ウェルネスツーリズムって?

そもそも『ウェルネス』って何?という方もいらっしゃると思います。

『ウェルネス』は、健康を身体の側面だけでなくより広義に総合的に捉えた概念で、米国のハルバート・ダン医師が1961年に『輝くように生き生きしている状態』と提唱したのが最初の定義といえます。
『ウェルネス』は「元気」や「爽快」を意味する英語「well」がもとの言葉であり、病気ではない「状態」を表す「健康」(ヘルス)より広い健康観で、琉球大学の荒川教授は、豊かな人生・輝く人生を目指した「生き方」や「ライフスタイルデザイン」を表しているものが『ウェルネス』と提唱しています。

図1:ウェルネスが包含する分野
ウェルネスが包含する分野
[画像: 琉球大学国際地域創造学部 荒川教授資料より抜粋”]

『ウェルネス』をビジネスで考えると、よりわかりやすいかもしれません。ヘルスケケアと言われる健康・医療分野はもちろんのこと、「スパ」「フィットネス」「癒し」等の前向きな健康志向の分野、「ビューティ」「アンチエイジング」「オーガニック」といった衣・食・住のライフスタイル分野を含み、さらには文化や環境分野にも広がり、世界でその市場規模は372兆円にものぼると言われています。

旅行・ツーリズムの分野でも、世界中の名だたるホテルチェーンがこの魅力的なキーワード、『ウェルネス』を新しいビジネステーマと捉え、前面に打ち出したメニュー開発やサービスを提供しはじめ、その市場は56兆円と推定されます。
(市場規模は2015年Global Wellness Institute 報告に基づく)

こうした『ウェルネス』の価値観に沿ったスパ、ヨガ、瞑想、フィットネス、ヘルシー食、レクリエーション、交流などを通して、心と体の健康に気づく旅、地域の資源に触れて新しい発見と自己開発ができる旅、原点回帰やリフレッシュして明日への活力を得る旅のことが『ウェルネスツーリズム』です。とても魅力的ですね!

実際に『ウェルネス』を発掘するゼミ活動

荒川教授によると、沖縄は『ウェルネス資源の宝庫』です。
イチャリバチョーデー(=一度会えば皆兄弟)といったホスピタリティ・マインドある県民性、伝統的な島野菜・薬草や薬膳を中心とした独自の食文化、自然崇拝や祖先崇拝など豊かな精神世界に彩られた習俗・行事、そして芸術・精神文化や歴史といった様々な沖縄の特徴は、心身の健康や長寿の観点から、オリジナリティも質も高いウェルネス資源につながるということです。

荒川教授のゼミでは、こうした沖縄独自のウェルネス資源に注目し、その活用による新しい旅行商品の開発やメディア企画・発信にゼミ学生が取り組んでいます。


[画像:荒川ゼミ資料より”SPAモデルツアー共同開発プロジェクト ゼミ4期生”]

例えば、沖縄らしい古民家でのスパ「島すぱ」での滞在プランや、その実体験などを実施する@「SPAモデルツアー共同開発プロジェクト」。
あるいは、恩納村の集落「谷茶」の地元ライフスタイル資源掘り起こしをテーマに、取材・執筆を通して雑誌を作り上げ、雑誌の広告営業まで実施する「学生企画フリーペーパー制作プロジェクト」。

SPAモデルツアー共同開発プロジェクト・ウェルネスツアー
[画像:荒川ゼミ資料より”学生企画フリーペーパーの制作プロジェクト ゼミ7期生”]

さらには、「沖縄の食(ゴーヤ)とウェルネス」等、ゼミの学生が考えた『沖縄のウェルネス』をテーマとして動画制作しYoutubeで公開する等、ネットを通じた発信にも力を入れています。

Youtube動画”沖縄の食(ゴーヤー)とウェルネス”
[画像:Youtube動画”沖縄の食(ゴーヤー)とウェルネス”]

荒川ゼミはこうした活動を通して、『沖縄のウェルネス資源』を若い世代の力で広めつつ、企画・制作構成から営業まですべてを学生自らが手がけ、「企画力」「構成力」「人間力」を高める実践的活動を通じて、参加する学生の、
・主体的に前に踏み出す力(アクティブアクション)
・主体的に考え抜く力(アクティブシンキング)
・チームで働く力(チームワーク)
といった社会人としての基礎力も伸ばしています。

今後、こうした各活動の内容詳細についてもレポートを予定しています。

【関連リンク】
Global Wellness Day in OKINAWA,JAPAN(紹介動画のYoutubeチャンネル)
https://www.youtube.com/channel/UCV4MZxlq5YPHbmpn6qhz3rg/featured