沖縄と県外・海外を繋げる

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美術館や博物館、商業施設をはじめ沖縄のビジネスの集積地となる那覇市銘苅地区。
同地区にある産業支援センター「MECAL45(めかるよんご)」にて、県外や海外から沖縄に進出する企業へのコンサルティングを行う株式会社グスクードという企業があります。
代表の渡慶次佳朗さんは、海外での学業を終えた後、世界の場でビジネスを経験。観光業をはじめ物流やITなどでも注目を集める故郷・沖縄を拠点に世界と沖縄を繋ぐビジネスを展開しています。
今回は沖縄での事業展開を考える企業に向けてのメッセージ、そして渡慶次さんが感じる沖縄の産業についてお聞きしました。

―本土企業が沖縄進出の際に気を付ける点はどこでしょうか。

我々が基本的に強いのは人事、労務のところです。
企業が一番直面する問題が人の問題。沖縄に来てからいい人を雇おうと思ってもすぐ集まるものではなく、スペックが高い人間はなかなか取れないんです。
そのためには「育てる」という選択。
現地の人を雇ってしっかりと育成していく、というスタンスをもたないといけません。
単純労働として人材を雇っているだけでは、なかなか事業がうまくいかないため、我々としてはそういったことに関するアドバイスをしています。

―沖縄に進出するメリットはありますか?

過去ざっくり言って東京の5割、地方都市の7割という給与水準に魅力を感じる企業が多く、コストカットや人件費を抑えたい会社が沖縄に進出していました。
しかし、近年では沖縄の人件費は上がり、人も取れなくなってきており、沖縄に進出するモチベーションも変化しています。
最近はインバウンドの拡大が大きく、日本が内需で経済が成り立っているものが、人口減少により外需に転換しなければならない。日本人相手にモノを売ることから外国人相手にモノを売らなければならなくなってきているんです。
経済の転換期にあたる中で、一番外需に向いている土地柄、いろいろな国籍の人が入ってきている沖縄では、文化的にも歴史的にも海外のつながりが深く、今後海外進出、海外から来た外国人を相手にしようと考えている企業にとっては馴染みやすい土地であることがメリットになると思います。

―沖縄で開業し苦労した点はありますか?

地元のコミュニティに溶け込むということですね。
県外にいたので、仕事に対するスタンスや雰囲気が沖縄の人とやや違う。彼らに受け入れられなければならないんです。
そのため、いきなりビジネスを始めるわけではなく、リレーションベース、人間関係をつくることから始めました。
いろいろな経済団体に加入したり、JC(青年会議所)に入ったり、社会活動に参加しながら人間関係を構築していく。その後に経済的なメリット(仕事)が入ってくるようになりましたね。

―本土でなく、沖縄で企業した理由は?

外資系にいて、待遇も悪くなく、独立してもそこそこやっていける自信はありましたが、やはり沖縄の発展に寄与したいという思いが一番大きかったです。
もう一つの理由は、私が沖縄の人間であり、県外や海外を経験してきた人間であるということが地元企業にとってメリットがある。使いがいがある。商売も成り立ちやすいだろうといった面もあり、私が事業を起こすなら沖縄だろうと考えました。

―沖縄に戻って来て良かった点はありますか?

人がいいことです。
沖縄の人間は本土から来た人からみると頭が悪い、スキルがない、などと言うかもしれませんが、それは違う。養う機会がなかっただけであり、そもそも能力は高いんです。
そういった方を育てると優秀な人材になるし、そういった人材には恵まれています。
日本経済が大きな転換点を迎えている中で、ダイナミックな経済活動が行われている土地であり、景気もいい。元気な企業も多い。
その中で人事という、企業経営の根幹に携われるのはやりがいを感じます。逆に沖縄が日本を引っ張っていくんだという気概で仕事ができます。

―観光業の雇用についてはどう考えますか?

観光は一番沖縄が資本を呼び込める要因ですが、観光に偏りすぎるのは経済的に歪になる可能性があります。観光をベースに沖縄の魅力を発信していくというのはありますが、同時に他の産業を作っていく必要も。
観光ほどではないがITも同じくらい伸びています。
離島圏ということもあり、ITはインフラがあればどこでも仕事でき、またIT業界では沖縄に会社を持つのがステータスの一つになってきています。
今後、観光とITが日本の柱になりうると考えてまして、そこでバランスがとれれば観光に偏ることはないのではないかと思います。

―観光以外で伸びそうな分野はありますか?

第二次産業は弱いですね。厳しい。沖縄に富裕層を呼べる商売、高付加価値のサービスを提供できるところがあれば、そこは伸びていく可能性はあると思います。

―今後の展望はありますか?

やりたいことはいろいろあります。外国人雇用に関しては積極的に取り組んでおり、外国人を雇用して戦力としてうまく使う、という支援はまだ追いついておらず、多言語化などに対応できるスタッフも私以外いない。そこは増やしていきたいです。

沖縄で捉えた場合は、問題なのは賃金格差です。県は貧しい県ではありませんが、所得の格差がある。役員報酬と通常報酬は大きな差があり、一部の役員が大きな給与をもらい、あとはフラットでかなり安い。この格差のジニ係数が全国でもダントツに高いんです。
そこを整備するために、我々も事業を通して人事の面から経済格差を是正していきたいです。

インタビューは株式会社グスクード社内にて実施。
地元新聞社をはじめ多くのメディアからも取り上げられている同社。既に県内外からの評判も高く、今後のご活躍も期待されます。

株式会社グスクード
住所:沖縄県那覇市銘苅2-3-1 メカル ヨン_ゴ 504号室
代表:渡慶次 佳朗
TEL : 098-862-3018
FAX : 098-862-3030
HP:http://office.guscoord.com/

 

記者:東江(那覇市)

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