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沖縄食材探訪vol.2
ー身近な植物で健康維持!ー

地元の野菜で健康維持!自然の姿で育てられた野菜たち

北海道出身の町田さん、ダイビングで知り合ったご主人との結婚を機に沖縄に移住。
沖縄で過ごすうち、珊瑚の白化や生活排水、赤土の海への流入を目にし、環境に意識を向けるようになる。9年前に一念発起、農家を始める。

自然栽培炭素循環発酵農法という無農薬、無肥料、牛糞堆肥など殆ど使わずに様々な作物を育てる実験を始めた。なんとその数は数100種類以上。

自然の恵みとその循環を研究していく中で、ご本人の生活もガラッと変わり、日々の食生活も変わり、今まで精神的にまいっていたこともあったのだったのが、今では心身ともに健康的に。

今日はそんな町田さんに、現在取り組んでいる「自然栽培炭素循環発酵農法」について、また、ナチュラルで強い身体の作り方、健康維持ついてお話を伺いました。

自然の摂理と共に~自然の力を生かし合う~
-自然栽培炭素循環発酵農法-

 

中村:今日はよろしくお願いします。
町田さん:よろしくお願いします。

中村:北海道から沖縄に嫁がれ、あることをきっかけに
自然の力をそのままに、土壌ごと元気にする農法をはじめ、
街の緑化など現代の暮らしに植物の力を広げていく活動をされています。

その中でも「自然栽培炭素循環発酵農法」というのは初めて聞きました。
これはどういった農法なのですか?

町田さん:これは私の造語でして、農場に携わられてきた先輩方の農法を自分なりに組み合わせて実験を重ねる中でこれだと思う方法を現した言葉なのです。

「自然栽培炭素循環発酵農法」というのは化学肥料を使わず、土の中に炭素資材となる物を入れ込み、土の中の微生物の働きによって元気な作物を作る方法です。

 

土の中ー微生物が織りなす小宇宙ー

 

中村:土の中に炭素を入れ込むというのは具体的にはどういった事なのでしょうか。

町田さん:炭素というのは元素の1つですが、落ち葉や雑草は炭素を多く含んでおり、それを畑に入れることで土の栄養となります。土の栄養といいますが、正確には土の中にいる微生物のエサになるのです。その結果、土壌微生物が元気になります。

土壌微生物が元気になるとどういうことが起こるかというと、土は鉱石でありミネラルなのですが、微生物達が鉱石を溶かしミネラルが土に染み込む事を促します。そのミネラルを存分に吸い上げるのが植物というわけです。

このように土の中で繰り広げられる元素の交換・循環が「植物が生まれるエネルギーの元」となり、私たちが食べている野菜へと繋がっているのです。

中村:目には見えない土の中の壮大なドラマですね!

町田さん:そうなのですよ。なので植物を育てるというよりは土を育てている感覚です。

土の中に生きる微生物も私たちと変わらない生物なので、
湿度や温度が大切なキーとなります。

よく腸の中と土の中は似ていると言われますよね。
私たちの細胞は37兆2000億個あると言われており、体内細菌はそれを超える数がいると推定されています。

ーベランダ菜園ー自分と植物を重ねてみる

 

よくベランダに植物を出していたら枯れてしまったという話を聞きます。
こうした原因は自分と植物をぐっと近づけて考えてみてください。
夏場はベランダでも42度くらいまで気温が上がりますよね。

土の中の菌は37度を超えると元気がなくなってしまうものもいます。
私たちも長時間40度を超える場所にいるとぐったりするどころか危険も伴いますよね。
私たちと土の中の菌は同じなのです。

なので、上から差し込む太陽光を遮るためには日陰を。
下から熱を通さないようにするにはプランターの下に発砲スチロールを敷くのがおすすめです。

それぞれの菌の特徴を知って、どのように扱い生かしていくかという事に注目すると楽しいです!

中村:土の中の世界ですが、人間の話をしているような共通する部分がたくさんありますね。物事に向き合うことは度々こうした共通点に出会う過程なのかも知れないと思ってしまいました。余談になりましたが、こうして育てられている作物は今どのくらいの種類があるのですか?

 

沖縄の地で作物を育てるということ

 

町田さん:植物と向き合い始めて9年になりますが、試行錯誤しながら現在たくさんの作物を育てています。代表的な物を申しますと…

ムクナ豆、白ウコン、アボカド、グァバ、島バナナ、あとはレモングラスやミント、クミスクチン…
そして最近、染め物もできたらいいなと思い琉球藍も育てています。

中村:琉球藍!染め物!とても素敵です!
グァバやバナナはさすが沖縄ですね。羨ましいです。
中には聞いたことのない植物もありましたが、沖縄の土地で育てることの難しさや沖縄だからこそできる!といったことはありますか?

 

町田さん:沖縄って何でもできるんですよ!10度以下にならないので亜熱帯のものまで作れるのは魅力です。しかし台風の存在は大きいです。ダメにならないように日々工夫しています。

あと久米島はジャーガルといって泥岩によりできた栄養豊富な土だったり、マージと呼ばれる赤土が多くある場所、砂や泥が多い地帯と、土地により土の状態が大きく違っています。
なので今はそれぞれの土に適した作物がどういった物なのか、同じ植物でも違う育ち方をするのかなど含め実験的にいろいろな作物を育てています。

左から、イエローストロベリーグァバ、クミスクチン、ゴムの木と蜘蛛、サンダンカ、タカキビとはと麦、ムクナ豆、羽衣ジャスミンとサンダンカ、手間ハーブとオクムクナの棚

町田さん流 健康維持秘話

 

中村:作物を育てるために土をコントロールするのではなく、その土地が持つ特徴を生かす農法に取り組まれている姿勢に感銘を受けます。そしてこの農法だけにとどまらず、町田さんの生活スタイルは自然との調和を大切にされているなと感じました。育てられているものを食べるようになって変わった事はありますか?

町田さん:ありますよ!そもそも自分で野菜を育ててみようと思ったきっかけにもなっている部分にも繋がるのですが…実は10年前体調を崩してしまい病院へ行きました。
お薬をいただいたのですが、食欲はなくなり、眠気が強く出てしまいさらに困ってしまいました。そんな時に姉が漢方薬をくれたのです。

漢方薬のおかげで症状が改善されてきたのです。
その時にふと「漢方薬って植物だな」と思ったのです。

それなら自分で育ててみようと。
それが今に繋がっています。

今では…3年前くらいからですが朝、家族で菜園へ行き植物やバーブを摘みスムージーにして飲んでいます。

ほぼ毎日飲んでいるスムージーの材料

元気な時にこそ身体を整える

 

中村:今コロナが蔓延する中で、病気になってからではなく、何気ない日常の中でしっかり身体を整えておく事の大切さが見直されたのではないかと思います。

町田さんのお話を伺い、それは人間だけでできるものではなく、自然と調和する中で相互に得ていくものかなと感じました。今までの人間と自然、そしてこれから望ましいと思われる自然との関わり方をどのように考えておられますか?

 

町田さん:そうですね。難しい問題にはなると思うのですが、
今までの農家さんは労働に見合った対価というのが得られていなかったという背景もあり、
分かってはいるけれど化学肥料に頼らざる得ない状況にあったと思います。
そうした背景の改善も一つ私たちが自然と自然のままに関わるための改善点になるのではないでしょうか。

それと、私たちは自分がこの地球のサイクルの中の一部であることを忘れてしまうので、小さなプランターでいいので身近なところに植物を置いて育ててみるのもいいかも知れませんね。

食べることー「味」そこに至るサイクルを知るー

 

生徒:確かに自分が食物連鎖の中にあり、この世界におけるサイクルの一部であることはなかなか意識できていません。

そして昨今「食べる」という事に対し「身体に良いから食べる」という事に目が向きすぎているのではないかと思います。

ずっと昔、私たちの祖先は美味しさを頼りに作物の輪を広げていったのではないでしょうか。私達が感じる美味しさの中には身体に必要なものを感じとる能力もあったのではと思うくらいです。これは単なる持論ですが(笑)

町田さんが思われる作物の「美味しさ」とはどのようなものですか?

町田さん:そうですね、島のマンゴーを育てたいと弟子入りしたことがありまして。
そのマンゴーというのは今はもう作られていないのですが、堆肥だけを使い、果実にふくろがけもせず、ほぼ何も使わずに育ったマンゴーだったのですが、これがもう美味しくて!
もうこれを食べたいなら自分で作るしかないなと、今育てています。

子供達の野菜嫌いが問題視されることもありますが、先ほどもお話したように植物は土の中の栄養を吸い上げます。野菜に感じられる「美味しくない」という感覚の中には農薬の味を感知しているからではという仮説もあるくらいです。

美味しさとは土の中で元気に活動する微生物がいて、水があって、太陽の恵みを存分にもらった証なのかなと思います。

左から、カレーリーフ、ドラゴンフルーツ、バナナ、ムクナトンネルとエゴマ

代え難い物ー無機物から有機物を生み出す力ー

 

生徒:改めて「美味しさ」を考えてみると、人間だけが作り出せるものではないということを再認識しました。作物を産み出し、この地球を構成しているといっても過言ではない「自然の力」町田さんが感じられる「自然の力」とはどのようなものですか。

町田さん:自然とはいろいろなものがありますが、
綺麗な水と土と光のエネルギー、これは何にも変えがたいものがあります。
これらが存在することで無機物から有機物が生まれるのです。

今経済活動が大変な時期で、経済に目がむきがちですが、その経済だって無機物から作り出された有機物がなければ成り立たないものです。

私たちの元々の条件というのは無機物、無から生まれるということなのではないでしょうか。植物によって生かされているという意識をもう少し持って、できることなら、これは夢かも知れませんが、アスファルトを削って緑を増やして行きませんか。
裸足で歩いて温かみを感じられる大地を増やしていきたい。そのように思います。
地球自体が生命体であり、大きなものの一部として自然に寄り添って生きる事が自然の力を思い、共存する事なのではないかと思います。

☆町田さんが育てるお野菜の加工品は山里ゆんたく市場で購入できます。

https://www.facebook.com/yuntaku.kumejima/