投稿日:2025.12.23

☆いざ精糖期到来!多良間工場に潜入(?)調査☆

 みなさまこんにちは!多良間はいきなり寒くなって、毛布を引っ張り出す日が増えてきました。そうはいっても沖縄。内地の友達に、「今日めちゃめちゃ寒かったよね!18度しかなかった!」と言っては激しく突っ込まれている私です(笑)。

さて、多良間の冬と言えば「黒糖」を外しては語れません!12月はいよいよ待ちに待った精糖期です♪毎年12月の上旬に「火入れ式」が行われるのですが、その年の精糖シーズンに初めて機械のスイッチを入れて、精糖期中の安全祈願などをした後に本格稼働が始まります。

そして、精糖期間中は、島民の皆様も大忙し!サトウキビ農家さんはもちろんのこと、工場でも島内外からアルバイトや期間工の方が多く働いています。かくいう私もその一人!せっかくの機会なので、普段は見ることが出来ない「多良間工場」の仕事をちょっとレポします!

※沖縄の製糖工場の中でも最大規模を誇る多良間工場。昼夜問わず多くの人が出入りしています、

【黒糖を作っている島は、全部で八島!】

 多良間工場は、正式には「宮古製糖株式会社 多良間工場」と言います。宮古島に本社がある宮古製糖㈱の工場の一つになります。宮古島にも宮古製糖㈱の工場があって、そちらは黒糖ではなく「加工糖」をつくっています。沖縄というと「黒糖」のイメージが強い方もいらっしゃると思いますが、実際に「黒糖」を製造しているのは、多良間を含めた沖縄の離島8島。
 さぁみんな言えるかな~??全部言えた方は相当な「沖縄通」・「黒糖通」です!

 答えは・・・
 多良間島・西表島・波照間島・小浜島・与那国島・伊江(いえ)島・粟国(あぐに)島・伊平屋(いへや)島 です!!
私はもちろんソラで言えちゃいます~♪おらが島の黒糖が一番美味しいさ~!
 そして、多良間・西表・波照間、が生産量トップ3です。市場で見かける沖縄黒糖の7割くらいはこの三つの島で生産されている感じですね。多良間のシェァは沖縄の生産量の40%超!閑散期には他の島の製糖工場の皆さんが勉強にいらっしゃるほど大きく設備も整っている多良間工場。生産量全国一位は、島民の誇りでもあります。

※フクギの中にサトウキビ畑が続く多良間の風景はいつ見ても癒されますね~。

精糖シーズンは、年によって少し違いはありますが、大体12月から3月の下旬~4月の上旬くらいまでになることが多いです。私が島に来てから一番長かった精糖期は5月半ばと記憶しているのですが(長っ!)、この年はサトウキビの収穫量が例年より非常に多かったからだそうです。その頃はみんな顔を合わせるたびに、「まだやってるさ~?」「今年は長いねぇ(笑)」と、その話で持ちきりでした。もちろん、島外から来て頂いている期間工の方も精糖期が終わらないと帰れない(実際には帰れるけれども、期間を満了しないと旅費が出なかったりする)ので、色々と大変だなぁと感じた次第です。

この時期になると、多良間だけでなく他の沖縄の島でも「製糖工場期間工募集!」「寮付きで稼げますよ!」といった募集の記事が出ることが多いです。皆さんも見かけたことがあるかと思いますが、でも実際どうなの??稼げるの??忙しいの?疲れないの??

・・・・気になりますよねぇ・・・・(にやり)

  ってことで、私がアルバイトと言う名の「調査」に行ってきましたよ!

  いざ、多良間工場へ!!!

【実際どんな仕事があるの?初心者でも大丈夫??】

 私がやったことがある製糖工場のアルバイトは3種類!他にももっと色々あるのかもしれないのですが、アルバイトをしたい!といって紹介頂いたのは3種類なので、体力がない女性でも出来る仕事を選んで頂いているのかとも思ったりします(笑)。

  初めてのアルバイトは、協力隊として来島した4年前の冬。「せっかく多良間にいるのだから、何かしら多良間の産業の助けになる仕事がしたい!」と、当時の協力隊の同僚2人(男性)とともに応募しました。このときは、おもに土日や協力隊活動がない平日に仕事をしたいという要望を出していたので、日勤の仕事をご紹介頂きました。

お仕事①「黒糖の袋詰め作業」。

成型されてラインに流れてきた黒糖たちを計量し、袋詰めをしていくお仕事になります。時間は午前9時頃から夕方5時頃まで。工場は集落から離れているので、お昼ご飯も工場の休憩室で取ります。一緒に働くメンバーは女性がほとんどで、毎年必ずいらっしゃっているという期間工の方や、地元のママさん方が多くいらっしゃいました。

 制服やマスクなどは支給頂いて、十分に体全体を除菌した状態で作業室に入ります。仕事場ではリーダーの立場のような方がいらっしゃって、「あっきーさんはこっちのグループで○○やってね~」と指示を頂けるので、困ることはありませんでした。

※夜遅くまで、陽気な社員のにーにーたちが頑張っています!

 ただ、このお仕事は立ちっぱなしの時間が多く、長時間の勤務だと足腰が痛くなるのがちょっと難点です(汗)。あとは、計量をきっちりやろうとすると、どんどん「計量待ち」の黒糖が目の前にたまっていくので焦ります。ねーねーたち曰く、「だいたいでいいのよ~♪」とのことだったのですが、どうしても入れすぎたり少なかったりすると気になってしまう私。作業が遅くてご迷惑をおかけしました・・・。でも、あまーい黒糖の香りの中でお仕事が出来るので、その点はちょっと楽しかったです!

お仕事②「黒糖を入れる箱作りの作業」。

実は、①の仕事が終わった翌年から2年間は工場にアルバイトへ行っていなかった私。土日の日中も忙しくなってきていて、一日時間を取られる袋詰めの仕事は難しいというのが理由のひとつにあります。が、それでもやっぱり工場でアルバイトしてお小遣い稼ぎしたい!というのが偽らざる本音(笑)。何かないのかな??と探していたときに教えてもらったのが、夜2~3時間だけ出来る「箱作り」のお仕事でした。

このお仕事は、袋詰めされた黒糖たちが最終的に出荷される時の箱をひたすら作っていくというもの。平日土日問わず、夕方以降から夜20時~21時頃まで稼働する感じです。平置きにされた箱型を組み立て、ガムテープやボンドなどで補強、その後黒糖を入れる袋をその中にセットする・・・という流れのお仕事です。こちらもまた女性がほとんど。仕事が終わってから来られる時間と言うこともあって、顔見知りのママさんの顔もちらほら。

箱作りは基本的には座って作業が出来るので、それが一番ありがたかったです。単調な仕事ではありますが、ねーねーたちがスマホで音楽を流してくれ、たわいもないおしゃべりをしつつ、結構あっという間に時間が過ぎていきました。

難点と言えば・・・中に入れる黒糖がなければ作業も発生しないので、結構な確率で「今日から3日はお休みでいいよ~」などの連絡が来ることでしょうか。コンスタントには入れない感じでした(汗)。

【たどり着いた夜の工場☆がっつり夜勤で頑張ります!】

 そして今年、私がたどり着いたのが3つめのお仕事です!本当は去年と同じように「箱作り」をしたかったのですが、工場の事務員さんから「今年は箱作りは募集しないことにしたよ~」と。どうしても工場で働きたかった私は、「それ以外に何かありますか?」と食い気味に(笑)問い合わせをしたところ、教えて頂いたのが、現在私がやっているお仕事になります。

お仕事③「サトウキビの前処理施設」。

 「前処理施設」っていうとなんだか分かりづらい表現になりますが、ざっくりと言いますと、畑から刈ってきたサトウキビについているゴミや土・葉っぱなどを丁寧に取り除いて圧搾(しぼる)できるようにする状態へ持って行くお仕事です。つまりは、製糖工場で一番に発生するお仕事になります。

 ここは前と変わって男性陣も多くいらっしゃる職場。勤務は基本夜勤で19時~22時(途中10分ずつの休憩あり)です。今は3時間勤務ですが、今後1月以降忙しくなると、4時間・5時間勤務が発生する感じになります。基本的に夜行性の私にはうってつけのお仕事です(笑)。

※夜の工場も幻想的で素敵じゃないですか?

 お仕事の内容としては、ラインに流れてくるサトウキビたちから泥や余計な葉っぱなどをひたすら取り除いていく作業になります。また、その中には腐っていたり、ブヨブヨになっていて美味しい絞り汁がとれないものもあります。そういった「圧搾に不向き」なサトウキビも除去しながらひたすら手を動かしていく感じです。

 最初のうちは、「え、腐っているのってどうやって見分けるの?」とか「ラインが早すぎて手が追いつかない~(泣)」など、戸惑うこともしばしばありました。そういう時は、ベテランアルバイトのねーねーやにーにーたちが、「ブヨブヨのは全部捨てて!」「焦らなくていいからね~」と優しく指導してくださったので、アルバイトを始めてはや10日ほど、もうすっかり慣れました。こういったところの適応能力は早いと言われる私です。

※今回は全体的に茶色っぽい画像ばかりだったのでお口直しにどうぞ(笑)

 ちなみにこのお仕事、女性が少ない理由として、「汚れそう」「外での仕事だから大変そう」という理由をよく聞きます。でも実際、元ナイチャーの私が出来ているので、女性でも出来ない仕事じゃないと思っております!作業着や手袋などはすべて支給して頂けますし、土ぼこりをあびて帰ったらシャワーを浴びればいいだけじゃないですか(笑)。・・・そうはいっても、私の周りの友人女子たちは敬遠気味で、人手が足りずに実は困っているところです。

 私がこの仕事を好きな理由は、「無心で仕事が出来る」というところです。作業中は完全に会話もなく個人作業になるので、手を動かしつつも色々と思索にふけることが出来るんです♪実際、このコラムにアルバイトの話を書こう!と思いついたのも仕事中でした(笑)。毎日作業中に考えることは様々で、「明日の仕事の段取り」だったり、「ガイドやコラムのネタ」だったりします。私にとっては邪念なく色々なことを考えられる、この時間が気に入っています(元々空想癖だけは強い私です)♪

 あとは、仕事が多いので(この作業が終わらないとそもそも圧搾や成型が出来ないので)、休みになることがほとんどないのが良いです!むしろ「明日もお願い!」「休んでいいときだけ連絡するから!」と言われます(笑)。収入の計画が立てやすいのもありがたい感じですね!

あ、もちろんほんとに用事がある時はちゃんと休ませてくれますよ!ご安心ください☆

 ということで、多良間工場に潜入調査中のあっきーからの報告でした(ちょっと違う)!

毎日製糖工場で働いていると、「多良間島の産業の一部に、今確実に貢献できているなぁ」という思いを持つことが出来て、少し誇らしい気持ちになります。多良間だから、多良間でしか出来ないアルバイト、ご興味のある方はぜひ問い合わせをしてみてくださいね!