投稿日:2022.01.10

沖縄が世界自然遺産登録へ

2021年7月、沖縄県内に大きなニュースが流れました。

以前より、世界自然遺産候補地として選定されていた地域が世界自然遺産へ登録されたのです。今回は、沖縄県内で世界遺産の登録対象となった「やんばるの森」と「西表島」についてご紹介します。

 

国内5件目の自然遺産に

2021年7月26日、かねてより世界自然遺産へ推薦されていた「奄美大島、徳之島、沖縄県北部のやんばる、西表島」がユネスコ世界自然遺産へと登録されました。
沖縄県内では、沖縄北部と西表島の2箇所が対象となっています。
日本国内の世界自然遺産登録は、2011年6月の小笠原諸島以来、5件目になります。
登録数が少ないことからも、世界有数の魅力を持つ自然地域と言えるでしょう。
また、ユネスコからは、「国際的にも希少な固有種に代表される生物多様性保全上重要な地域である」と評価されました。
今後、世界各地からの旅行者が訪れることが予想されます。

 

やんばるの森

 

やんばるは、漢字で「山原」と書きます。

「山々が連なり森の広がる地域」を意味しており、主に「やんばる国立公園」のある沖縄県国頭郡国頭村、大宜味村、東村およびその周辺の沖縄本島北部地域を指すのが一般的。沖縄県南部にある那覇空港からは、沖縄県を縦断するような形になり、車で約100分ほどかかります。

やんばるの森の特徴は、沖縄県内でも随一のジャングル地域ということ。
亜熱帯照葉樹林の森は世界的にも数少なく、やんばる特有の生態系の基盤となっています。そして、やんばるの森には多くの希少な動植物が生息しており「奇跡の森」と呼ばれています。例えば、やんばるにしか生息していない「ヤンバルクイナ」をはじめとして、「リュウキュウヤマガメ」や「ケナガネズミ」「テナガコガネ」など、貴重な動物がたくさん生息しているのです。

やんばるの森を訪れる際には、貴重な生態系を壊さないように注意することが必要です。近年は、野生動物が車に轢かれてしまう「ロードキル」も問題となっています。やんばる地域では車のスピードを落とし、道路上にいる動物に気をつけてください。

なお、専門ガイドによるツアーでは、貴重な動植物を間近で目にすることができます。これまでは美しい海ばかりが注目されていた沖縄ですが、今後は自然豊富な山を楽しむ観光ツアーも増えることでしょう。

やんばるの森写真はこちら

※写真は、OKINAWA41フォトコンテストの応募作品です。

西表島

西表島は、沖縄本島の南西470kmに位置しており、石垣島を中心とする「八重山諸島」に属します。
西表島の特徴は、沖縄県内では本島に次ぐ第2位の面積を持っているにもかかわらず、島の面積の90%以上がジャングルということ。住民が住んでいる地域は、島のわずか10%にしか過ぎません。

マングローブ林が広がる汽水域、そして海岸や河川沿いの湿地帯、さらに山地へ上がればそこは太古の昔から続く原生林が広がっており、人がほとんど足を踏み入れたことがない、まだ知られていない秘境が広がっています。西表島では、川をカヌーに乗って渡りながらマングローブ林を眺めたり、大自然のジャングルをトレッキングしたりと、自然を感じられるアクティビティが盛ん。また、ジャングルだけでなく、沖縄らしい亜熱帯の美しい海も楽しむことができます。

西表島には、固有の動植物が数多く生息しています。人の手が加わっていない自然が豊富なため、ここでしかみられない生き物も多いのです。以下、西表島に生息している動植物の一部をご紹介しましょう。

・イリオモテヤマネコ
・ヤシガニ
・カンムリワシ
・ヤエヤマセマルハコガメ
・イシガキトカゲ
・ヤエヤマオオコウモリ

ただし、西表島には、サキシマハブのように危険な生物も生息しています。噛まれてしまうと命の危険性もあるため、不用意に近づかないようにしましょう。また、本格的なトレッキングをする際には、専門のガイドをつけることをおすすめします。

なお、西表島には空港がないため、アクセス方法は、八重山諸島の玄関口「石垣島」からのみとなります。石垣島内にある港から西表島までは、高速船で約40分。石垣島から日帰りで訪れることも可能ですが、できれば宿泊して西表島の美しい星空も眺めてみましょう。

※写真は、OKINAWA41フォトコンテストの応募作品です。

 

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