投稿日:2022.03.14

ものづくり特集:今年で50年。かわいい「琉球みやらびこけし」づくり

一つ一つ手作業での制作数は、月に30〜40体程度。工房では田港さん翁長さんを中心に絵付け補佐2名、木工場3名の計7名で作業が行われています。どのような工程があるのでしょうか?

主に使用する木材は、琉球松、エゴノキ、いぬまき(チャーギ)

 

1,角材から旋盤機械で大まかな形を削り出していきます。

曲線や細かい部分は木工バイトを使用してこけしの形に。
40年以上の作業で培った職人技、機械も年期が入ってます。

2,花笠、魚かごなどのパーツは胴体とは別で削ります。木の種類によって固さやくせが異なるので、細かく調整していきます。
3,削り出されたこけしは数日かけて紙ヤスリを使用して研磨

 

ツルツルになるまで綺麗に磨かれたこけしは
20本単位で絵付け場(塗装)へ作業工程を引継ぎしていきます。

職人の方たちは車椅子を利用していたり片方の腕が不自由だったりとハンディを抱えつつも、
口をうまく使ったり独自の工夫を凝らした固定具を用いて、熟練の技で器用に作業をこなされます。

4週間かけて仕上げていきます。
熟練の技で下書きをせず線を引き色鮮やかなこけしに染まっていきます。

最後に表面にアクリルニスを塗ってしっかり乾燥させ、各パーツの接着を行って完成。
不具合がないか検品された後、出荷に向かいます。


「琉球みやらびこけし」はどこで入手できますか?

沖縄県内のデパートや一部お土産品店、オンラインショップでお取り扱いしています。沖縄県八重瀬町のふるさと納税返礼品の登録もございます。琉球みやらびこけし取扱い店で検索できます。

工房の作業を見学することもできますか?

平日10:00~15:00までは工房内で作業を行っています(土日祝祭日はお休み)。事前予約を頂ければいつでも見学及びワークショップ対応致します。

絵付け体験のワークショップも人気とのことですが、出張されたり、工房でもされていますか?

ワークショップについては地域交流を行うためにスタートしました。米軍施設のスクールや親子参加型など私たち施設の見学の一環として開催したプログラムです。現在は事業が中断していますが、今後も出張ワークショップや色々な場所で、「こけしの絵付け体験」を開催したいと思っています。多くの方に興味を持って頂きたいので、少人数参加でも相談してください。

 

今後も長く愛される沖縄のお土産として作り続けていただきたいです。新しい取り組みなどありますか?

昨年8月に那覇伝統織物事業組合の監修のもと、首里織をモチーフに可愛いピンクの衣装を羽織った琉球みやらびこけし「首里娘」を発売いたしました。50周年を迎えるにあたり、製造に関わる利用者より首里のシンボルでもある首里城復興に少しでもお役に立てることがないかという、お話から「首里娘」の売上の一部を寄付させて頂こうと企画致しました。ささいな活動ですが首里城復興の一助になればという思いが届けばと思っています。

沖縄で生まれた「琉球みやらびこけし」まだまだ認知度が高くはありません。長年経験を積み重ねて習得した絵付けの技術は、指導しても習得するのに時間がかかり、なかなか後継者の育成につながっていないのが現状です。今後何十年も継続して琉球みやらびこけしが生産できるよう、次の世代へ技術継承を支援していきます。

 

information

社会福祉法人  沖縄県身体障害者福祉協会
障害者支援施設 太希おきなわ

〒901-0516沖縄県八重瀬町字仲座1038-1

TEL098-851-7522 FAX098-851-9522
E-mail :taiki@okisin.jp

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