投稿日:2018.02.08

お魚の御輿を担ぐ沖縄の伝統行事

沖縄は、旧暦の伝統行事を大事にする島。海に囲まれた島の人たちにとって、月の満ち欠けの周期をたよりとした暦は生活に密接な関わりを持っています。県外では3月3日といえば「ひな祭り」が主流ですが、旧暦の3月3日(おおよそ4月はじめ頃)は健康を祈願する「浜下り(はまうり)」という行事が各地域で行われています。地域によって「ハマオリ」とも呼ばれ、宮古島や八重山地方では「サニツ」、「サニズ」などとも呼ばれています。1年間で最も潮の満ち引きの大きい「大潮」でもあるこの日に、重箱にごちそうを詰めて浜辺で食べるのが風習です。

魚の御輿を担ぐ「サングヮチャー」という行事
かつて海人(ウミンチュ:漁師)の多かったうるま市の平安座島(へんざじま)では、この日に魚の御輿を担ぐ「サングヮチャー」という行事が毎年行われます。「健康祈願」「航海安全」「五穀豊穣」を願い、神事が行われたあとに御輿を担いで海に入り「ナンザ岩」へと向かいます。

魚の御輿を担ぐ「サングヮチャー」という行事

険しい岩を登り、頂上で安全祈願、五穀豊穣祈願の「ナンザ拝み」が行われ、海の幸「島だこ」を参加者でまわして食べます。そこから浜辺に戻り三線の演奏に合わせて皆がカチャーシーを踊り、獅子がダイナミックに舞います。旧暦文化が根強く残る沖縄。伝統行事にあわせて沖縄を旅をするのもオススメです。

記者:河野哲昌(うるま市)
1973年生まれ。東京で制作会社・出版社・デザイン事務所・編集プロダクション・印刷会社を経て、2010年monobox株式会社を設立。グラフィック・エディトリアルデザインを中心にデザイン制作を行う。また、取材時には撮影を担当。
monobox株式会社
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