投稿日:2018.10.18

カラオケで熱唱、洗濯物を畳むサービスも!?個性的な那覇の「コインランドリー」はひとが集まる場所だった

 
那覇市イチの繁華街「松山」にある、一見普通のコインランドリー。しかし、ここはただのコインランドリーではない。自宅の洗濯機が壊れたのをきっかけに通いはじめると、その自由で個性的な魅力にどんどん取り憑かれて行った。

店主の大城さんは、ダンディな出で立ちで「僕はおしゃべりが好きだから」とたくさんのお話を聞かせてくれた。

まず女性が利用しやすいようにと、明るくて清潔な店内を心がけているという。広々とした店内には、最新型の設備がずらりと並ぶ。布団や毛布を洗える大型の洗濯乾燥機から、単身者に嬉しい小型・中型のもの、さらにはスニーカーランドリーもある。全て使用前に無料でドラム洗浄できるので、衛生面を心配する方にも安心だ。

那覇市イチの繁華街「松山」にある、一見普通のコインランドリー

この商売を始めるまで、大城さんはコインランドリーを利用したことがなかったという。開店してからはドライブインサービス(!)、フィットネスマシンやゲーム機の設置といろんなサービスを試みた。お客さんのバランスや要望に応えながら変えていき、今のサービスに行き着いたそうだ。

現在は那覇商業高校定時制の生徒さんが日中のアルバイトとして働き、洗濯物を畳んでくれるサービスを行なっている。女性の利用が多いそうだ。「こないだはアルバイトの子と二人で500枚近く畳んだよ〜」と大城さんが笑いながら話してくれた。

そして、私の一押しがカラオケ1曲100円のサービス。最初は衝撃を受けたのだが、こちらも利用客は多いそうだ。実際、楽しそうに歌っている年配の男性に遭遇したことがある。昭和の名曲を熱唱する男性と、それを聴きながら洗濯物を取り込む数名の利用客。シュールだがどことなくほのぼのする光景に出会えて、その日はなんだか得した気分になった。

那覇市イチの繁華街「松山」にある、一見普通のコインランドリー

「まずは、お客さんに喜んでもらうところから始まる」

そう話す大城さんのサービス精神は、コインランドリーを始める前の30年以上に渡る経営経験に基づくそうだ。

今ではカラオケのみの利用客や、店内にある大きな水槽をふらっと眺めに入ってくるお客さんもいるという。場所柄、松山で働く夜のお店のお姉さんたちが仕事終わりの明け方にやってきて、カラオケを楽しみ、マッサージ機で癒されて帰っていくこともあるらしい。

「コインランドリー=洗濯するところ」という固定概念がこのお店にはない。

年中無休・24時間営業の「コインランドリータイキ」は、ライフスタイルの一部として人が集まってくる場所。都会の喧騒に疲れた人々の心を優しく迎えて余計なものをさっぱりと洗い流してくれる、そんな那覇のコインランドリーだった。

(取材・文/INE)
INEのプロフィール:
奄美大島生まれ。奄美で大島紬を織っていたいたが、どこにいてもできる仕事がしたいと思い沖縄でweb制作の仕事に就く。特技はどこでも寝られる事。苦手な事は電車の乗換え。