【名桜大学レポート】
「ウィズ/アフターコロナ」を踏まえた沖縄観光に関するミニ意見・アイディア集

 

【名桜大学:大谷】2020年度 大谷研究室のOKINAWA41記事作成基本方針

 

1.はじめに
コロナ禍によって大きな影響を受けている沖縄観光も、新しい生活様式の定着とともに「ウィズ/アフターコロナ」を踏まえた観光の展開が必要という考えのもと、2020年5月から2020年度前期大谷研究室3年次12名の学生が沖縄観光に対するミニ意見やアイディアの記事を作成していきました。これまでに「接触を伴わない沖縄観光-沖縄の食×EC事業-」「小規模観光事業者の現状把握とスピード感のある直接的な支援について」「3密回避を意識した沖縄観光」「ホテルを中心とした消極的“マイクロツーリズム”」「沖縄県民による沖縄“観光”」「みんなで地元のツアーガイド」という6つのテーマで記事を掲載しています。執筆や記事完成のタイミングなどにより掲載の時機を逸してしまいましたが、2020年7月時点でのミニ意見・アイディアのテーマがあと5つあり、今回はその集約した内容を記事にしたいと思います。
2020年度後期から大谷研究室の3年次学生が14名となり、「ニューノーマル」として沖縄のダムツーリズムに関する記事を作成しましたが、今回はあくまで2020年7月時点でのミニ意見案・アイディア集と捉えて頂けたら幸いです。

2.コロナ禍におけるイベント、ニューノーマルに向けたアイディア
感染予防、3密を回避したイベントの内容とあり方、沖縄観光における従来からの課題解決などがアイディアとしてあがりました。株式会社JTB(2020)による「新型コロナウイルス拡大による、暮らしや心の変化および旅行再開にむけての意識調査」によると、「まずは自分の住んでいる地方を旅行する」という意向が多く今後は近場観光が主流になることがわかっているため、まずは地域の魅力を発信することができ3密を回避できるイベントの提案、そして玉城知事が呼び掛けた「新型コロナに負けない安全・安心で持続可能な観光地」へ向け一早く沖縄が3密回避やコロナ感染拡大防止のモデルとなるためのミニ意見がありました。

・3密回避を前提とした屋外イベントとしての「プラネタリウム」(屋宜柚希)
・飛沫感染を防ぐために対面席を削減し、某博多ラーメン屋さんのような個室空間のカウンターを参考にフードコートや飲食店のテーブルをカウンター式に転換、およびその行政支援の必要性(脇阪栞、垣花えま)
・ドライブイン○○ツーリズムとして、ドライブインシアター、参列者が車の中でスクリーンによる式の中継と食事を楽しむドライブインウエディング、ドライブインヨガ、テイクアウトとドライブスルー店舗が出張で集結したドライブイン「カフェフェスティバル」(脇阪栞、垣花えま)

3.アフター/ポストコロナの「準備期間」としてのアイディア
一方、コロナ禍の中でも観光振興を継続させ、アフター/ポストコロナの「準備期間」としてのアイディアも多く提案されました。少し長くなりますが、3-1では観光情報について、3-2ではアプリやQRコードの提案を紹介します。

3-1 一般市民、観光客などが幅広くアンバサダーとなり情報発信を行うプラットフォーム構築の提案
近年では観光行動における意思決定では口コミが欠かせないものになっている。電気通信普及財団(2017)によると訪日旅行を思い立ったきっかけとしては、「友人・知人から直接経験談を聞いて(84.6%)」「家族から直接 経験談を聞いて(79.0%)」「旅行関連予約サイトを見て(77.3%)」「テレビや雑誌の特集や旅行番組を見て (77.3%)」「口コミサイト(トリップアドバイザー等)(76.9%)」「友人・知人のSNSを見て(75.4%)」 「以前行ったことがあり、『もう一度行きたい』と思って(75.0%)」が上位である。 企業の旅行サイト等もあるが、きっかけとしては、友人・知人や家族等のパーソナルな情報が多くなっているという調査結果が出ている。
現在、多数ある沖縄観光サイトは掲示内容やまとめ方などサイト自体のクオリティは特に問題があるものばかりというわけではなく、閲覧していて観光意欲を湧かせるものも確かに存在する。しかし、事業者や特定の人物、少数または1人が評価したような記事が多く、信頼性の向上と複数のSNS等からの口コミを集約することも必要ではないだろうか。
提案する取り組み自体は口コミの発信を促すことと、口コミに対して利用するハッシュタグ統一することで情報を集約・反映することで共有化を図るという単純なものである。
トリップアドバイザーのような高度なコンテンツ・モデレーションは難しいので、たとえば外部セクターと連携してマイナス効果のある口コミを辛口コメントと虚偽のコメントに分けるプログラムを作成するだけでも信頼性が高まるのではないか。トリップアドバイザーの調査によると辛口コメントに真摯な態度で返信することで78%の旅行者が宿泊者を大事にしているという印象を受けると回答し、84%の旅行者が否定的な口コミに対して適切な返信が行われると、ホテルの印象が良くなると回答している。また、ハッシュタグを統一する理由としては、発信された口コミを観光者だけではなく事業者や企業などがニーズ情報として把握しやすいという利点もある。
ただ、それでも信頼性と情報の管理には課題が残り、口コミによって得られたイメージと実際のサービスの質が一致せず観光者に違和感を与える可能性もある。広域観光事業の1つとして活用できるように地域間または県とISCOのような外部セクターが連携して動くような取り組みであることが望ましい。発信してもらった口コミをSNSや単一のサイトだけで完結させるのではなく、複数のSNSと観光サイトを連携させることで、より口コミという情報が得やすい環境をつくるということが提案する意見である。
一刻も早いコロナ終息を願うと同時に観光者減によって経営難に陥っている企業が回復し、また観光者で賑わう沖縄が戻ってくることを願っています。(喜如嘉杏実)

3-2 アプリやQRコード活用の提案
App Annieの調査によると、日本での旅行アプリ関連分野のセッション数は2015年から2017年の2年間で3割増加し、アプリの総利用時間も2015年から2017年にかけて、約60%増加しているとしています。ここでは若者のアプリ利用やQRコードの活用に関するミニ意見案・アイディアが上がりました。

・地域住民が通う飲食店やスポットの情報発信強化(荒木綾乃、脇阪栞、垣花えま)
・既存の観光アプリをまとめて紹介する総合・統合アプリの実現(荒木綾乃)
・行政などが多言語化された琉球料理メニューをQRコード化し、原材料やアレルギー情報、料理の歴史などを紹介することで各店舗のコストを軽減し、味や特徴などの内容は各店舗がカスタマイズ可能とすることでビギナーやインバウンド旅行者に対して琉球料理の満足度を高める提案(川名茜)

4.おわりに
半期というゼミでの活動期間や紙幅の関係などによって、すべてのミニ意見とアイディアを記載することはできませんでしたが、背景やデータの充実、現状と課題の把握、コスト意識、事例研究の継続性など様々な課題が残ったなかで引き続きニューノーマルにおける沖縄観光を考えていきたいと考えています。

【引用参考文献、引用サイト】
・電気通信普及財団(2017)「訪日外国人観光旅行者の旅行商品購買意思決定プロセスにおける情報探索メディアと訪問後の情報共有行動に関する構造モデル構築」『(公財)電気通信普及財団研究調査助成報告書』
・「トリップアドバイザーの口コミを管理する」トリップアドバイザー(Tripadvisor)
https://www.tripadvisor.jp/TripAdvisorInsights/managereviews>
・「観光クチコミの重視ポイント、観光地は「ヒントやアドバイス」、ホテルは「施設の状態」―トリップアドバイザー調べ」トラベルボイス
https://www.travelvoice.jp/20150414-40584
・「『いわきFC ドライブインパークヨガ』開催のお知らせ」いわきFCホームページ
(2020年6月24日閲覧)https://iwakifc.com/news/2020/0523_014578.php
・「沖縄についてのアンケート・ランキング」@niftyニュース何でも調査団
(2020年6月25日閲覧)https://chosa.nifty.com/travel/chosa_report_A20140815/
・「日本の「旅行アプリ」総利用時間は2年で約60%増加!さらに世界の「旅行アプリ」ダウンロード数は50%増に AppAnnie、旅行アプリに関する調査レポートを公開」PRTIMES(2020年6月25日閲覧)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000086.000011276.html

 

■筆者(2020年7月作成)
名桜大学国際学群観光産業専攻
大谷ゼミ3年次 荒木綾乃、垣花えま、川名茜、喜如嘉杏実、屋宜柚希、脇阪栞