沖縄伝統の簪、ジーファーについて【元琉球王族、尚家が語る沖縄への想い】
沖縄伝統の簪、ジーファーについて【元琉球王族、尚家が語る沖縄への想い】
皆さん、こんにちは。
本日は沖縄の女性の装飾品ジーファーについてお話したく思います。
ジーファーとは沖縄の伝統と歴史の簪であります。
琉球王朝時代の装飾品であり、簪には金属をはじめとする様々な素材が使用されました。
第二尚氏王統、第三代 尚眞王の時代にはすでに記述(1509年)があり、簪の仕様につき王族は金、士族は銀、平民農民は 真鍮、木、べっ甲などとされ、素材で位階の違いを表してもいました。
また男女によっても形状が異なります。
女性用のジーファーは、スプーン状にくぼませた頭部と六角形の胴体で出来ています。 この形は、女性の姿を表していると言われています。
男性用は、龍、水仙、牡丹など、位階によって違う形をしています。 ジーファーは女性の分身とも言われ肌身離さず身につけたと伝わります。
また、火事の時にジーファーを火中に投じて鎮火を願ったという言い伝えもあります。
私は祭祀の時に祭祀用の大簪を身につけるようにと教わりました。琉球王国時代には、儀礼の際に聞得大君は雲竜黄金簪をつけ儀礼を司ったとのことです。
国王の雲竜を金に浮彫りした傘に、幾何文様を陰刻した柄を差し込む構造であり、現在は県立博物館所蔵の県指定文化財となっています。
今回私が新しく祭祀をする為の祭祀用大簪を大清国皇帝の末裔の一族の方が新たに作り御奉献下さいました。
私が長年親交ある方で尚家の祭祀を継承するずっと以前からのお付き合いの方でありました。
縁とは不思議なものでございます。
祭祀をさせて頂く事は私にとりましては不安だらけでございます。
神様に御仕えすると言う事はとても重い事柄でありまして、セレモニー感覚ではなかなか勤まりません。
御仕えにするに足る自分自身である為に日々精進を重ね、日々の食事や自身の行動を見直さねばなりません。
祭祀とは毎日の事でございますし、沖縄に行けない中でも片時も大神へのお心を忘れた事は無く、また毎日遥拝させて頂いております。その中でも、御仕えに足る自分であるのかと、自問自答致します。
自身の分身と言えます祭祀用大簪に恥じない様に沖縄の大神様に御仕えさせて頂けたらと存じます。
ジーファーは沖縄でまだ作られております。琉球王国時代の心と申し上げても過言ではありません。
来沖の際にはどうぞジーファーをお手にとってみて自身の分身として下さい。
筆者:尚 満喜(しょうまき)
1984年生まれ。
自由が丘 産能短期大学卒業
神職資格を取得し、現在は東海地方にて神職として神社に奉職しながら一般社団法人 琉球歴史文化継承振興会の副代表理事を務める。
◆一般社団法人 琉球歴史文化継承振興会
https://ryukyu.or.jp
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