投稿日:2021.07.11

ものづくり特集:石獅子に魅せられた夫婦ユニット「スタジオde-jin」vol.2スタジオの制作活動の様子

大地さんの制作の様子

 

vol.1では「石獅子」についてのお話でしたが
vol.2では制作の様子をご紹介いたします。

スタジオの周辺のお気に入り

首里城近くに工房を構える「スタジオde-jin」。
街中のため、周りも騒がしく、石を彫る音が迷惑にならないんだそうです。
お隣は美味しい沖縄そばのお店。
首里城周辺は散歩コースで、首里城の裏側の「金城町の石畳」は、
戦前の古い街並みが唯一残っているエリアです。この石畳も琉球石灰岩。
この辺りは丘になっているので那覇の街を見下ろすことができます。

手前の3体が一番人気のスクチャーシーサー

制作やワークショップの様子

大地さんの「石獅子」は形によって全て名前がついています。
一番人気はスクチャーシーサー(ひょうきんもの)。
2体がくっついているゆんたくシーサー(おしゃべり)や、
ヨンナーシーサー(のんびり)など。
制作工程を分けて作業するものの、手のひらサイズのものは
時間にすると1体につき1時間程でできてしまうそうです。

不定期に開催しているワークショップには、
小学生くらいの子どもたち、大人ももちろん参加できます。
小さな立方体で用意している石材に下絵を書いて、
ノミと石頭ハンマーを使って、削っていきます。
無心で彫り続け、3時間ほどで形になり、
それぞれの個性が出てまったく違うものができます。

大学でも琉球石灰岩で授業

今も毎年、母校の沖縄県立芸術大学でデザイン科と
工芸科の学生に石彫の授業を行っている大地さん。
授業でも全国的にはあまり使われない琉球石灰岩をテーマを決めて彫ります。
今年はリモートの授業もあり、故郷の石像物や建築を調べるという課題では、
地元の学生だと石獅子にたどり着く子もいて、レポートしてくれたそうです。

沖縄のものづくりについて

流通の不便や機材がなかったり、簡単に道具が手に入らないなど、
不便はあるものの、沖縄のものづくりは盛んで、それぞれの分野で
とても沖縄らしさを感じる魅力的な作品が生み出されています。
その理由は、王国であったからこそ育まれた文化。
一見新しく見えても古い琉球王国に手工芸が発達した土壌があります。
沖縄にしかない素材があり(土もガラスも)、
県外の方がそれに魅了され、集まってくることも。

今後やりたいこと

「スタジオde-jin」の作品は県内外の雑貨店やイベントで取り扱われています。
コロナ禍で通販も始めました。
しかし、通販には消極的で、コロナ禍が開けたら、「石獅子」たちを抱えて、
全国、海外にもご本人が持っていき、広めていきたい。
というのも、一つ一つ手彫り、石の性質で、全く同じものはありません。
手に取って、できればお話もして、選んでもらいたいということです。
筆者も2体、長い時間をかけて選びました。手に取ってみてこその質感や表情です。
いろんな場所で「石獅子」たちに会える日を心待ちにしています!

 

石獅子に魅せられた夫婦ユニット「スタジオde-jin」vol.1石獅子との出会いはこちら

■ショップ情報
店名:スタジオde-jin (ギャラリーショップ・工房)
住所:沖縄県那覇市首里汀良町1-2 1階
営業時間 10:00~18:00
定休日:日曜日、不定休(来店される際には電話していただけると助かります)
電話 098-887-7466 (fax兼)
E-mail info@de-jin.com