投稿日:2024.03.12

離島観光の魅力とは?①

沖縄観光の現状

 沖縄県には、豊かな自然が多く残り透明度の高い海や貴重な動植物が多くみられます。本島には首里城や国際通り、美ら海水族館など、さまざまな観光地がありますが、離島には固有の自然が残り、本島よりもさらにきれいな海や星空、また、島ごとに異なる空気感などたくさんの魅力があります。しかし、観光客の訪問先は本島に集中しており、離島に訪れる人は少ない傾向があります。

 沖縄県の「令和元年度観光統計実態調査報告書」と「令和3年度観光統計実態調査報告書」から訪問地域別の割合をグラフにまとめると、次のような結果となります。(図1)

図1.統計実態調査から見た訪問別地域の割合

(「令和元年度観光統計実態調査報告書」及び「令和3年度観光統計実態調査報告書」より著者作成)

 沖縄県に訪れる観光客は、石垣島や宮古島などの大型な島に集中し、本島周辺離島や小規模離島に訪れる人は少ないことが分かります。

 小規模離島に観光客が少ない理由として、主要な大型離島のほうが観光施設も多く、空路のアクセス性や認知度も高いため観光がしやすいためと考えられます。しかし、本島周辺の離島はアクセスも良く日帰りで観光でき、比較的短時間で楽しむことができます。また、小規模離島では手つかずの大自然が残っており、島内の人数も少ないため自分のペースで楽しめる点も特徴です。そういった本島周辺や小規模な離島を訪れ、沖縄観光のスパイスにするのはいかがでしょうか。

 今回は、その第一歩として、本島周辺・小規模離島観光について県が行っている施策や私個人が訪れたおすすめの離島を紹介し、離島の魅力について認知度を高めることを狙いとします。

 

島あっちぃ推進事業

 離島観光の推進に関して、沖縄県では、沖縄県外在住者を対象にした離島体験プログラム「島あっちぃ推進」事業を行っています。「人と人がつながる島旅」をテーマに、県内離島の歴史や文化、自然を地域の方々との交流を交えて体験してもらうモニターツアーです。参加後のアンケート回答を条件に、県から費用が7割補助されるため、県外在住の方はお得に離島での体験プログラムを受けることができます。一般的な観光旅行では味わえない、島出身のガイドさんと一緒に散策をしたり、島ならではの郷土料理を地元の方と一緒に作ったりといったプログラムが比較的小規模で開催されるため、地域の方々と密に触れ合える点が魅力です。

 小規模離島から大型離島まで様々なプログラムを募集しているので、自分の体験してみたいプランに合った離島を探すことができます。初めて離島に行く方、今までの沖縄観光に飽きを感じた方は、このような取組を利用して他とは違った離島観光をしてみるのはいかがですか。

参考文献

沖縄県文化観光スポーツ部観光政策課.令和元年度観光統計実態調査報告書.県外客の旅行内容と観光収入の推計.2020,okinawa.lg.https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/bunka-sports/kankoseisaku/kikaku/report/tourism_statistic_report/documents/02r1syuunyuu.pdfjp,(参照日2023年10月19日).

沖縄県文化観光スポーツ部観光政策課.令和3年度観光統計実態調査報告書.県外客の旅行内容と観光収入の推計.2021,pref.okinawa.lg.jp/site/bunka-sports/kankoseisaku/kikaku/report/tourism_statistic_report/documents/2_kengaikyakunoryokounaiyou.pdf,(参照日2023年10月19日)

沖縄県企画部地域・離島課.離島ブランディング(島あっちぃ推進)事業.2023,https://www.pref.okinawa.jp/site/kikaku/chiikirito/ritoshinko/rito-branding-shima-acchii.htmlpref.okinawa.jp,(参照日2023年10月19日)

沖縄県離島体験モニターツアー島あっちぃ.2023,acchttps://acchi.okinawa/hi.okinawa,(参照日2023年10月19日)

沖縄県.資料2 小規模離島について.住みよく魅力ある島づくり計画ー沖縄21世紀ビジョン離島振興計画ー(平成24年度~平成33年度)【見直し版】(抜粋).2018,https://www.pref.okinawa.jp/site/kikaku/chiikirito/documents/06shiryou2.pdf,(参照日2023年10月19日)

↓フェリーからみた久高島の写真

↓ in水納島

【記事作成】名桜大学国際学群観光産業専攻3年次大谷ゼミ 比嘉小春