書籍と巡る沖縄vol9.-最南端の書店が選ぶ沖縄漫画 -この3冊が熱い!-

 

最南端のジュンク堂書店の沖縄愛

沖縄にある日本最南端のジュンク堂書店、那覇店さん。
2009年のオープン以来150万冊を超える書籍を扱われ、
中でも沖縄関連の書籍は1万5000冊以上とのこと!

さすが沖縄のジュンク堂さん、島への想いを感じます。

他にも著者の方を迎えたトークライブをはじめ、
朗読会などイベントも活発に開催されています。

今回は1万5000冊以上ある沖縄関連の書籍の中より、
書店スタッフさんに『沖縄を題材としたスタッフ一押しの漫画』を選んでいただきました。

数ある漫画の中から最南端のジュンク堂スタッフが選んだ漫画とは!?
早速見ていきましょう!

日本最南端の地で氷上のチェスを

まず第1作目は…

南風原はえばるカーリングストーンズ】

なかいま強 :著 ビックコミック(小学館)

「わたるがピュン」に次ぐスポーツ漫画の二作目となる南風原カーリングストーンズ。
沖縄出身、沖縄在住の先生の作品には沖縄の風景やうちーなーぐちが随所にみられます。
この物語は沖縄唯一のスケートリンクを舞台にカーリングチームが発足、活躍していくストーリーなのですが、作中に登場する「サザンヒル」というスケートリンクは「スポーツワールドサザンヒル」として沖縄の南風原町に実在します。首里駅からタクシーで5分の距離でアクセスも抜群。
漫画を読んで行ってみたいですね!

さて、物語は北海道でカーリングに挫折した二風谷直歩にぶたに なほが曲者たちを集めカーリングを始めるところから始まります。

練習場所であるスケートリンクは廃れてほぼ人が来ない状況。
しかしスケートリンクのオーナーは「住んでいる街を少しでも楽しい街にしたい」という想いを胸に秘めている人物。

真っ直ぐな性格の直歩と共に、カーリングに目覚めるのは夢を見失った少年達。

沖縄とカーリングという組み合わせだけでも気になる上に、
この登場人物の際立ったキャラクターによって物語にぐいぐいと引き込まれます。

作中に描かれる沖縄独特の暮らしの風景の中には
うちなーぐちだけではなく、沖縄のお菓子ポーポーなども登場し、
登場人物が食べていたものを沖縄に行って食べてみるもの楽しいかもしれません。

カーリングのルールを知らないという方も南風原カーリングストーンズを読めばカーリング通になれるかもしれないくらい、詳しく解説もされている作品。

知恵も技術も精神力も必要な氷上のチェス。
今まで知らなかった!という方も沖縄の風とともに手にとって読んでみてください。

ビックコミックのHPで試し読みができます。

なかいまつよし_南風原カーリングストーンズ 【作品TOP】

沖縄独自の怪談を味わう

ご紹介2作目は…

【琉球怪談】
沖小原猛:原著 太田基之:絵 ビッグコミック(小学館)

沖小原猛さんの書籍を太田基之さんが漫画に起こした作品。

原作者の沖小原猛さんは京都生まれ沖縄在住。
地元では妖怪博士として紹介されるほど地元に根付いた怪談のスペシャリスト。

この琉球怪談は実話集ということで、怪談が苦手は筆者はかなり恐々ページを開いた。
しかしそこに広がっていたのは風土の中で土地を愛した妖怪たちの物語でした。

中でも沖縄で有名なキジムナー。
キジムナーはガジュマルの木で暮らす精霊とされ、
比較的に人間と近いところで暮らすキジムナーならではのエピソードは不思議さの中に懐かしさや自然を思う気持ちの在り方などを伝えられたように感じました。

生きているものの世界で生活する人々と、この世を離れた人たちが存在する世界、その間の微妙で繊細な一線が綴られ、不思議とこの双方をひっくるめた「この世界」に暖かく包まれるようにさえ感じた。

普段は見えているものしか感じ得ないばかりでなく、見えているものでさえ本当に大事にできているか、丁寧に心を向けているかと言えば、正直目を背けたくなることもある中で、この物語は生きている実感に近いものを読み手にそっと手向けてくれるのではないかと感じた。

こちらもビックコミックのHPで読めますので公開されているお話を是非読んでみてください。

 

ツラすぎる恋を応援したくなる

【沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる】
空えぐみ:著 くらげバンチ(新潮社)

書籍と巡る沖縄vol.8で作者の空えぐみ先生に直撃インタビューしたこの作品!
書籍とめぐる沖縄vol.8はこちら

空えぐみ先生はご自身のルーツが沖縄にあることから、沖縄に憧れを抱かれ現在沖縄に住み執筆を続けておられます。

主人公のてーるーと喜屋武きゃんさん(写真右)のどうしても絡み合わない一方通行な恋の青春物語。

タイトルは「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」という主人公目線で題されているのだが、読み進めるたびにツラすぎる想いをしているのは主人公を思う比嘉さん(写真左)の方なのではと思ってやまない。

沖縄の特色ある文化が高校生の目線を通して新鮮に伝わってくる作品です。

海に憧れがあり、沖縄もとても魅力的に思っていますと語ってくださった空先生が描かれる主人公達の生活や沖縄の風景は読んでいてとても魅力的に感じます。
沖縄の温度や湿度までも主人公と共に体感できそうなくらい沖縄の風を感じさせてくれる作品です。

くらげバンチのHPで読めますので是非読んでくださいね!

沖縄をもっと身近に

たくさんの作品の中からオススメ3作品を選んでくださったジュンク堂書店那覇店さん、ありがとうございました!

沖縄在住の方にもそして沖縄が大好きな方にも楽しんでいただける作品だと思います。

旅行で楽しむ沖縄、歴史から知る沖縄、漫画から触れる沖縄。
どの入り口からでも魅力あふれる土地沖縄。
歴史が産み出した数々の思いや、独自の文化、その一つ一つが人々を通じこれからも語り継がれ引き継がれ、途絶えることなくますます魅力的な土地へと発展していくことを願います。

その発展の中には今回ご紹介した琉球怪談に出てくるキジムナーたちとも一緒に安心して暮らせるような豊さが盛り込まれ、古から未来へ沖縄ならではの恵が受け継がれていくといいなと思います。

今回ご紹介した熱く、暖かな作品を是非手にとって読んでみてください。
沖縄への思いがもっと熱く、深いものになっていくと思います!