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【沖縄美術日誌 vol.3】映画と本と、やちむんと〈ふくら舎〉


ずらりと並ぶ陶器。まるで宝探しをしているよう。

 

 

国際通りから公設市場へ入り、雑多な商店を横目に細い坂道を登っていくと、沖縄の映画ファンがこぞって訪れるミニシアター「桜坂劇場」が見えてきます。今回紹介する〈ふくら舎〉は、この劇場の2階にお店を構えていました。
柔らかな雰囲気の店名は、琉球古典音楽で有名な「かぎやで風」の一節に由来しています。


ガラス工房清天の爽やかなグラス

 

2005年にオープンした桜坂劇場内にはもともと書店兼雑貨屋の〈PANA〉が併設されていました。それが2010年に〈ふくら舎〉としてリニューアルオープンしたこともあり、1階には雑貨と本、2階には沖縄の工芸品というラインナップで現在営業しています。


UNO DAIOMARUの目を惹く鮮やかな漆器

 

〈ふくら舎〉に並ぶのは、沖縄の作家たちが手間暇をかけて生み出した器ばかり。作家と作品、そしてお客さまを繋ぐため、作品の隣には小さなキャプションが置かれています。
器を手に取りながらその紹介文を読んでいると、なんだか昔からの知り合いに出会ったような不思議な気分になり、むくむくと愛着が湧いてしまいます。


一目惚れをしたカップ&ソーサー。ぽってり丸くて素敵です。

 

 

 


同じく一目惚れをした香炉(丁字風炉)。古典的ながらも、私たちの生活にすっと馴染みます。

 

 

 

〈ふくら舎〉では琉球ポタリー「温故知新」というプロジェクトを行いました。これは現代の沖縄陶工たちが、琉球の古陶の復刻に挑戦する企画であり、「旧き琉球を訪ねて新しきやちむんを創る」ことをテーマに、県内作家8名がそれぞれの視点で古作を研究、制作しました。赤色の模様が美しい陶器は上江洲茂生さんの作品。戦後、途絶えてしまっていた赤絵を復活させたのが上江洲さんの師匠の小橋川永昌さんであり、彼は小橋川さんの技術を見て学び、独自の絵付けをしています。


流れるような線が特徴のくずし牡丹図。

 

 

 

劇場内に店を構える〈ふくら舎〉では、沖縄の工芸品だけでなく様々な文化に触れることが
できます。映画に本、定期的に行われている企画展示など。また、建物内には「さんご座キ
ッチン」というカフェも併設されており、やちむんの食器を使った料理を楽しむことができ
ます。


店内の器に値札をはる澤村さん。今回の取材を快く引き受けてくれた、気さくで熱心な方です。商品について何か質問があれば丁寧に説明してくださいます。

 

 

 

「かぎやで風」の最初の歌詞「今日ぬふくらしゃ」(今日の誇らしさ)に由来している〈ふくら舎〉。沖縄で育まれた様々な芸術文化に誇りを持ち、私たちに溢れんばかりの魅力を伝え続けています。

〈ふくら舎〉
住所:沖縄県那覇市牧志3-6-10
電話:098-860-9555
Mail:shop@fukurasha.net
Web:http://fukurasha.net
※12月19日〜1月15日まで陶芸玉城ぐまーぐゎー展開催中。ぜひぜひ足をお運びください。