投稿日:2018.09.07

わたしの沖縄~旧盆編~

皆さん初めまして、沖縄本島在住の管理栄養士・健康運動指導士をしています上原かおり申します。私が沖縄で暮らす中で体験したことや、食を扱うものとして、沖縄の食文化・食材について等、お話しできたらと思います。どうぞよろしくお願いします。

今回お話しすることは「わたしの旧盆」です。

先日8月23日~25日まで、沖縄県内各地では「旧盆」が行われました。
本土の「お盆」は8月12日~15日で行われますが、沖縄では旧暦7月13日~15日で行われます。旧暦では1年は365日ではないので(旧暦では1年が354日の年もあれば、384日の年もあります)、毎年旧盆の日程が変わります。その為沖縄のカレンダーには旧暦が記載されています。
その中でも、旧盆は年間行事の中でも、上位トップ3に入る位の大きい行事です。

私は手帳にも↓忘れない様にメモメモ・・・

他の行事も気になると思いますが、また後日ですね。

私が住んでる地域や私のオバーが住んでる地域での旧盆は23~25日の三日間でしたが
地域によっても四日間開催されるところもあります。

さて、私の過ごした旧盆をご紹介します。。
8月23日(旧暦7月13日)は「ウンケー」と呼ばれ
グソー(あの世)から、ウヤファーフジ(ご先祖様)をお迎えする日。
「お迎えの日」をウチナーグチでは「ウンケー」と言います。

ウンケーに欠かせない料理がこれ!
ウンケージューシー
「ウンケージューシー」です!
沖縄の炊き込みご飯です、食べたことある方もいらっしゃるのでは?

ウンケージューシーは私の担当です。
「おかえりなさい」という気持ちを込めて丁寧に作ります。
具材の大きさもそろえます。この形をそろえるという心が琉球時代からの「おもてなし」を表現するひとつです。

もう片方のオバーの家ではジューシーではなく。
色鮮やかなピンク色のご飯はおそなえされていました。
住んでる地域でもお供えする料理が全く違うので勉強になります。

8月24日(旧暦7月14日)
旧盆二日目は「中日(ナカヌヒー)」といます。
ナカヌヒーは仏壇がある家庭はお食事を用意しなければなりません。
基本、そうめんなどの軽いお食事がお供えされます。

8月25日(旧盆7月15日)
旧盆三日目「ウークイ」、送りの日です。
この日はたくさんのクワッチー(ごちそう)を用意します。
旧盆三日目「ウークイ」
これはオバーの家の仏壇です。何かお供えされていますね。
左は三枚肉(豚バラ肉)の煮つけや、かまぼこなど、右はおもちです。
オバーの家の仏壇
お箸の向きを見てください。仏壇側にお箸を割って置いています。
あなた方をおもてなししていますよ、という気持ちを表現しています。
現代の生活様式にあわせて用意している家庭も多いようです。

そして、ついにウヤファーフジ(ご先祖様)をお見送りします。
来年もまた会いましょうねという気持ちを込めて
親戚みんなでお見送りをします。
ウヤファーフジ(ご先祖様)
仏壇からごちそうやお供え物のフルーツなどを玄関まで移動させます。

そして「うちかび」を燃やす準備をします。
うちかび
これが「うちかび」です。あの世のお金ですね。
来年までグソー(あの世)で楽しく過ごせるように、お金を燃やして送ります。
うちかび
うちかびを燃やしながら
「(あの世行きの)飛行機代もたっぷり送らないと帰れないからね~」
というおじさんがいます(旧盆あるある)。

そして、近くの青年会がエイサーを夜通し踊り、地域を回ります。
エイサー
「迷わないでグソー(あの世)に帰るように」という意味合いがあると言われています。

県内各地域で、エイサーを踊る締め太鼓の音が、夜遅くまで響きわたります。
これが沖縄の夏の風物詩です。

旧盆が終わると、夏が終わってしまう気がしてすごく寂しい気持ちになります。
また来年に向けて、今年以上におもてなしができるように日々精進していきたいと思います。
来年の旧盆は2019年8月13日~15日です!
皆さんも手帳に記入しましょう!

【その他のお盆記事はこちら】

南大東島の旧盆を島出身者が紹介!久しぶりに懐かしの離島に帰省してきた-南大島村のお盆(1)

南大東島の旧盆エイサーについて-南大島村のお盆(2)

日本最南端のお盆 波照間島の「ムシャーマ」

沖縄お盆の流れを紹介します(浦添市)

文化の融合する北大東村ならではの旧盆行事「エイサー&盆踊り」

南風原町の御盆

わたしの沖縄~旧盆編~

わたしの沖縄【旧盆・番外編】~沖縄のお香・平御香について~

旧盆最終日といえば…

今年も沖縄市が熱い!各地域の青年会が練り歩く、旧盆行事の道ジュネー

見ごたえ十分!旧盆恒例行事 「道ジュネー」

伝統芸能エイサー【元琉球王族、尚家が語る沖縄への想い】